平成10年4月1日から施行される法改正について(パート2)

 

「高年齢雇用継続給付」と「在職老齢年金」の併給調整について説明します。

高年齢雇用継続給付とは?

  1. 平成7年4月にスタートした高年齢雇用継続給付は、定年後も勤務延長や再雇用で働き続ける高齢者を応援する制度で、具体的には定年後の賃金の低下をおぎなう制度です。この制度は、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」から成り立ちます。
  2. 高年齢雇用継続基本給付金はどんな人がもらえるでしょうか?

質問に対し「はい」か「いいえ」で答え、次に進んでください。

高年齢雇用給付金の支給額

3.高年齢雇用継続基本給付金の計算例

例えば、60歳到達時の賃金月額が40万円で、定年後の賃金月額が20万円の場合

20万円÷40万円=50%で低下率は64%未満ですから上図の@に該当します。

支給額は、20万円×25%= 万円となります。(この給付金は非課税です)

特別支給の老齢厚生年金を受給できる60歳以上65歳未満の人が、厚生年金保険の被保険者になって働く場合は、「在職老齢厚生年金」がもらえます。平成7年4月からは、賃金が増えれば賃金と年金の合計額も増えるしくみに変更され、働く高齢者にとって嬉しい制度になりました。

在職老齢厚生年金の支給額の計算は、基本月額と標準報酬月額により次の5パターンに分類されます。

例えば、月額20万円の年金受給者が標準報酬月額20万円で働く場合、Bの計算式に当てはめます。(20万円×80%)−(20万円+16万円−22万円)× =9万円

在職老齢厚生年金が9万円と賃金との合計がこの人の収入になります。

「高年齢雇用継続給付」と「在職老齢年金」の併給調整について

  1. 併給調整の対象になる人は、次のいずれにも該当する人です。

2.併給調整の仕方は?

 「失業給付」と「特別支給の老齢厚生年金」の併給調整に準じて、これらも平成10年4月1日から併給調整されることになりました。(年金の一部支給停止)

  1. 原則として、在職老齢厚生年金の支給額から標準報酬月額の10%をカットします。
  2. 標準報酬月額が60歳到達時の賃金月額の64%以上85%未満である場合は、標準報酬月額に厚生省令で定める率を乗じて得た額を、在職老齢厚生年金からカットします。
  3. @またはAで得た支給停止額に10分の25を乗じて得た額と標準報酬月額の合計額が、高年齢雇用継続給付の支給限度額(現在392、480円)を超える場合は、在職老齢厚生年金から{(支給限度額−標準報酬月額)×}がカットされます。